デザイナーブーム

もう10年ほど前になりますがグラフィックデザイナーの人口がとても多かった時代がありました。
この業界は残業も多く、フリーランスとして活躍しやすい職種なので専門の大きな会社も少なく、個人事務所のようなところだと社会保険もなかったりします。
好きじゃなきゃ続けられない職業なんです、ホントに。

そのように待遇があまりよろしくない小さなデザイン会社でも、求人広告を出せば100人を超える応募が簡単に集まる時代があったのです。

デザイナー需要が過多状態だった原因は大きく2つある気がしています。
1つは別の記事で書くとして、今回書く片方の原因は「矢沢あい」の少女マンガの影響ではないかと思います。

10年程前の当時は男でもわかるくらい矢沢あいのマンガは人気でした。
ワンピースか矢沢あいかって感じにね。

なぜそれが原因かというと、矢沢あいのマンガはアート系を舞台にしたものが多いらしいんです。
人気のマンガで描かれている登場人物が美術やデザインの勉強をがんばる姿は、読者にはすごいカッコよく見えたんじゃないかと思います。
その憧れがだんだん自分の夢にもなっていった、つまりマンガに影響を受けた人が多かったのではないか。
10年程前のそのデザイナー人口が増加したときの応募者層を見ると、矢沢あいのマンガが流行ってた時に学生だった、という感じの年代が多かったです。

これは個人的な意見だし、もう1つのデザイナー人口が増加した原因の方が大きいと思いますし、他の原因もあるかもしれません。
でもこれを今30代くらいのデザイナーさんらに言うと「それはあるかもしれない」と同調してくれました。

今はDTPデザイン業界の待遇の悪さにWebデザインの方に流れていったりデザイナーすら辞めて職種を変える人も多いです。
なのでDTPデザイナー(グラフィックデザイナーやエディトリアルデザイナーなど)やDTPオペレーターの人口はとても減りました。
一時は人気職でしたが、人気とは去るものだと実感します。

なぜ今こんなことを書いてるかというと、電子書籍で矢沢あいのマンガが3巻まで期間限定無料配信ってのを目にしたので。

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