大規模災害時の即時義歯作製マニュアル

災害時の入れ歯製作マニュアル作成に際して

大規模災害時においては多くの地域住民が避難生活を送ることが想定され、長期化にあたっては、口腔内状況の悪化、義歯の紛失や不適といったことからの食生活、生活の質の低下が考えられる。特に高齢者においては、義歯を失うことにより摂食・嚥下障害を起こすものもいると考えられ、栄養状態の悪化や、誤嚥性肺炎の発生も考えられる。

1995年の阪神・淡路大震災後の需要調査では、歯科診療需要は1.8%、そのうちの義歯の紛失・破損などは22.6%と予想された。実際に2カ月半に渡る歯科保健救護活動において、仮設診療所での10.3%が義歯不適合・3.9%が義歯紛失、巡回診療の19.4%が義歯不適合・6.7%が義歯紛失であり、歯科医師とともに歯科技工士が大きな役割を果たした。

このことより、新潟県中越地震・中越沖地震においても、歯科医師・歯科衛生士とともに歯科技工士が支援活動に出務した。それぞれの職能が連携した歯科保健医療支援活動により、 歯科疾患や呼吸器感染症の予防をすることができ、重篤な健康危機状態に陥るような被災者が出ることを未然に防ぐことができたと評価されている。未曾有の災害と言われる東日本大震災においては、「津波に流された際に口腔内から義歯が流出した」という被災者も多く、これまでの「阪神・淡路大震災のように義歯をはずしている時間帯の災害においては即時義歯のニーズが高くなる」という通説とはまた別に、即時義歯の対応が求められた。災害時に使用できる器械や材料には限りがある。そこで具体的に、最低限の器械や材料を用いて、歯科医師・歯科技工士の誰もが対できるような即時義歯の作製方法を検討し、本冊子に掲示した。無駄な準備で終わることが最も喜ばしいことではあるが、もしも需要が出た際には、これを一助として即座に支援体制が構築されることを期待したい。

東京医科歯科大学 大学院 医歯学総合研究科 顎顔面外科学
中久木 康一

 

本の仕様

即時義歯作製マニュアル

全10ページ(表・裏表紙を除く)
86mm × 170mm(厚さ:1mm)

マニュアルは知識としてセミナー・勉強会等でご使用いただくことが可能で、また、実際に使用される事も考慮し、携帯に便利なポケットサイズ、水に強いPP加工が全ページ施されております。

1冊 500円(税抜)
受注生産の為、200冊以上でのご注文をお願い致します。
表紙の下部・裏面に団体名を入れる事が出来ます。

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