前回の記事「紙書籍 対 電子書籍」では、掲載内容のちがいや収納スペースの問題など、費用対効果でメリット・デメリットを上げてみました。
今回は紙書籍と電子書籍のどちらの方が目に悪いかを考えてみます。
言わずと知れた問題かもしれませんがお付き合いくださいませ。
暗いところで読書は視力低下?
※ここでいう読書とは紙書籍を対象としています。
子どもの頃に勉強や読書するとき
「目が悪くなるから明るいところで読みなさい」
と親に言われたことがある人は多いと思います。
小山宙哉『宇宙兄弟』(講談社)のたしか16巻で
「暗いところで本を読むと目が悪くなるのは都市伝説らしい」
とありました。
これはどうやら都市伝説というより誤った知識のようです。
暗いところでは瞳孔が開き大きくなりますが、近くのものを見ようとするときは瞳孔は小さくなります。
暗所での読書は瞳孔の動きが相反し、目が疲れ、視力が低下した感覚になるんだそうです。
目が疲れるのは事実みたいなので、適度な明るさは保った方が良いでしょう。
ディスプレイは疲れの原因が豊富
電子書籍を表示するディスプレイ(モニター)は目を疲れさせる原因がちょっと多いようです。
ブルーライト
人が見える光の中でも青色光(=ブルーライト)はエネルギーが強く、網膜まで届いてしまうため目の疲れ・網膜へのダメージの原因となります。
また、ブルーライトで反応する視細胞の働きにより、睡眠障害・精神不安定なども引き起こすようです。
ディスプレイの明るさ
ディスプレイを見るということは蛍光灯を見ていることと同じで、目の疲れの原因となります。
また、ディスプレイと周りの明るさに差がある場合も目の疲れの原因となるようです。
「ディスプレイは明るいから暗い部屋でも電子書籍が読めてスマホは便利♪」なんて考えは目の疲れの天敵のようなものですね。
ディスプレイのちらつき
液晶ディスプレイの調光方式が目の疲れの原因となります。
ディスプレイの性能の問題なので、ブルーライトのように別売の商品等で対策することはできません。
ディスプレイの映り込み
ディスプレイに光沢があるもの(=グレアパネル)は周囲の景色が映りこみ、焦点が合いづらく目の疲れの原因となります。
ディスプレイに特化した目の疲れの原因はざっとこんなところでしょうか。
目の疲れと視力低下
視力低下の原因のひとつに「1点を見続ける」ことが上げられます。つまり「暗いところ」という要因がなくても、読書自体が視力低下の原因になり得るということです。
1点を見続けることで焦点を合わす筋肉が固まってしまい目が悪くなっていきます。
これを防ぐには一定時間ごとに目を休ませ、窓の外など遠くを見ましょう。
ただ遠くを見るだけでなく、近くと遠くを交互にみてピント調節機能を向上させる運動をすると良いようです。
また、視力低下の原因に「目の疲れ」というのもあります。
「えっ! 暗所読書は目が疲れるだけじゃないの? 矛盾してない?」
と思いますよね。
筆者の個人的な判断ですが、結局のところ「暗いところでの読書も視力低下となり得る」と考えた方がよ良さそうです。
視力低下の直接の原因ではないので、適度に遠くを見たり目を休めて疲れを蓄積させなければ大丈夫ということでしょう。
結果発表
紙書籍と電子書籍のどちらが目に悪いかという結果は電子書籍の勝ち(=電子書籍の方が目に悪い)となるかと思います。
ディスプレイは自らが光を発しており、読書でそれを凝視する状態となりますから、電子書籍での読書は目を疲れさせる要因が多いのが事実です。
特にブルーライトは恐いですね。
読書ではありませんが最近は「スマホ老眼」という言葉がでてきているようです。
健康は資産、視力はなかなか戻りません。
みなさん、お体大切に。