アニメ界のプライスメーカー

プライスメーカー Price Maker(コトバンクより)
市場占有率が高いために、自社に有利な市場価格の設定・操作を行うことができる企業。価格設定者。
(プライスメーカー≒プライスリーダー)

 

プライスメーカー:手塚治虫

マンガのトリビアについて記事を書いていたとき↓のニュースを思い出しました。
過酷なアニメ制作現場……“神様”手塚治虫の功罪
アニメの制作スタッフというのは薄給で有名です。
アニメーション制作者実態調査報告書2015(PDF)に「若手アニメーターの平均年収は110万円」「1カ月の平均作業時間が350時間を超える人も多数」というコメントもあるようで、ただただ驚きます。
 
上記ニュースで浮き彫りになるのは、アニメ制作業界のこの劣悪な労働環境を築いたのが天才・手塚治虫というだということです。
日本初の国産アニメを手掛けた手塚治虫は、制作を破格ともいえる値段で請け負い、足りない分はマンガ等で稼いだ自分の資産を投入したそうです。
天才・手塚治虫がそんな値段でアニメを作っているから他の制作者もそれに倣うほかなく、手塚治虫のスタッフに関しても薄給は当たり前の状況でした。
この当時の土台が現在にも引き継がれ、過酷な現場が常識化してしまっている現状を伝えています。
 
手塚治虫はプライスメーカーだったのですね。
手塚治虫にビジネスセンスがあったなら、1本目のアニメに自分の資産を投入したとしても、それ以降の作品で回収し、スタッフにも人並みの給料を渡して周りを潤すことに注力したことでしょう。
天は二物を与えず、ですね。
 
ん?
そういえば手塚治虫って医師免許持ってて、確か医学博士なんですよね…
二物、与えられてますね…

 
自由競争の時代とはいってもプライスメーカーの価格設定次第で業界が衰退する可能性があるわけですね。
プライスメーカーおそるべしです。

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