マンガづくりのトリビア

日本のマンガ産業のすごさを紹介した前回の記事につづき、マンガ制作のトリビアをご紹介します。
大した知識ではないので「知ってるよ!」というツッコミがあっても心の中に留めてくださいませ。

 

マンガ特有のフォント

アンチゴシック
(掲載画像:『夏目友人帳』)

マンガの中で登場人物のセリフは原則として、ひらがな・カタカナは明朝体、漢字はゴシック体が使われています。
この組み合わせをアンチゴシックと呼びます。
(アンチゴシックという名称は「アンチック体(明朝体)+ゴシック体」から来ています)
アンチゴシックは適度に目立って読みやすい文字スタイルといえます。
 
一般的な誌面では、文章をストレスなく読ませるには明朝体が適しており、タイトルなど強調させる部分にはゴシック体を使います。
対してマンガは絵と文章でストーリーを表現するため、文章が明朝体のみでは絵に負けてしまうと申しますか、読者に伝わりにくくなるのです。
そこで漢字をゴシック体にすることでセリフがやや強調され、ストーリーが記憶に残りやすくなります
マンガは絵と文章が融合された読み物なので、絵と文字のバランスがとても重要なのです。

 

なぜマンガはモノクロ(白黒)なのか

これは言わずと知れたコストの問題ですね。
Yahoo!知恵袋のベストアンサーに丁寧な回答があるのでそちらをご参照ください。
 
コストの問題も大きいですが、白黒マンガはフルカラーに比べて読みやすい利点もあります。
 
まず、色情報がない分、長時間に渡って読みつづけることが可能となる点があげられます。
配色にもよりますがフルカラーの場合、無意識でも色に目移りしてしまうので疲れやすくなると考えられるからです。
さらに、色情報がない方がストーリーが印象に残りやすいこともあげられます。
色というのはそれだけで記憶に残るものなので、むやみに色があるとそこに目が行き、それ自体を記憶して核であるストーリーに集中しづらくなります。

 

なぜ用紙の色がちがうのか

週刊誌の紙
(掲載画像:『週刊少年ジャンプ(No.45)』)

少年ジャンプなどマンガ雑誌では用紙がピンク、黄色、みどりなど複数の色が使われていますよね。
これも読みやすさを考慮した上での仕様です。
 
簡単にいうと飽きさせないためのトリックのようなものです。
マンガ雑誌にはいろいろな種類のマンガが詰め込まれています。
中には新連載などおもしろいかどうか分からない未知のマンガも含まれています。
出版社側としてはとりあえず読んでもらいたいわけですよね。
そこで用紙の色を変えることで、読者は無意識にそれらを飽きることなく読む確率が上がるんだそうです。
そのマンガを好きになるかどうかはその先の話で、読んでもらわないと始まらないってことです。

 
 
やや個人的な意見も交じって恐縮ですが、以上のようにマンガには読者が無意識に読み続けられる工夫が施されています。
(本業の人に聞けばもっと多くのトリビアがでてくることでしょう。)
先人の知恵の積み重ねのうえに現在の印刷物のカタチがあるわけです。
ちょっとでも「なるほど」と思ったらぜひお手元の「へぇ~」ボタンを押してください。

No Comments Yet.

Leave a comment